これからの暑さ対策は熱移動理論に則って-7
断熱材と輻射熱
熱移動において大きな割合を持つ輻射熱、その輻射熱に対して、断熱材はどれほどの効果を発揮するのでしょうか。
空気やガスは電磁波を通します。
このことは、断熱材が輻射熱(放射熱とも呼ばれます)の影響を大きく受けるということを意味します。
なぜなら、電磁波が物質に衝突することで物質の分子が振動し、熱が放出されるからです。
断熱材は輻射熱のほとんどを吸熱し、そして放熱します。
そしてこのことは、断熱材だけでは、根本的な暑さ対策にはならないということを意味します。
ちなみに、太陽から発せられる熱線とも呼ばれる赤外線が直接大気に影響する割合は非常に小さく、地表や建造物などに赤外線(赤外線も電磁波)が当たることによって起こる輻射熱移動が圧倒的に大きく、それによって放出された熱によって大気が暖められます。
ですので、地表に近いほど気温が高くなり、地表が少なく建造物のない山頂(太陽に近い)のほうが気温が低くなるというわけです。
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