危うさを増す温暖化の抑制と重要性を増す温暖化への適応50
パート5/建物が適応していくために5/輻射熱と断熱材
高断熱住宅でも、建物内の温度は相当に上昇します。
そして、日が沈んでからは、外はそれほど暑く感じないのに、建物内は暑いままということが起こります。
その原因は、断熱材と輻射熱の関係にあります。
断熱材は輻射熱の90%程度を吸収し、やがて放熱します。
断熱材が反射出来る輻射熱は、10%程度に過ぎないのです。
また、断熱材は「熱伝播遅効型熱吸収材料」と呼ばれます。つまり、熱を吸収することで、熱が伝わる時間を遅らせるという材料なのです。
ですので、断熱性能を上げる、高断熱にするということは、吸収する熱量が増えることとなり、冷めにくくなるということでもあるのです。
だから、日が沈んだ後は、無断熱の外のほうがよっぽど涼しいとなるのです。
「暑さの多くが屋根面から押し寄せる」「そのほとんどが輻射熱」「断熱材は輻射熱のほとんどに対処出来ない」、これが壁より天井の断熱を強化しているにもかかわらず、2階建てであれば2階のほうが圧倒的に暑くなる原因なのです。
しかしそれは、2階だから暑いのではなく、屋根の直ぐ下の階だから暑いのです。
ということは、平屋建ては家全体が暑くなりがちになるということでもあります。
温暖化への人と建物の適応支援
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